草木図譜 アグラオネマ


「レオンの観葉植物」、アグラオネマ‘カーティシー’
Aglaonema 'Curtisii'
アグラオネマ‘シルバーキング’
Aglaonema 'Silver King'
 リュック・べッソン監督の映画『レオン』の中で、ジャン・レノ扮する殺し屋レオンが大切に育てていたのが、このアグラオネマです。命を狙われた少女マチルダ(ナタリー・ポートマン)が逃げるシーンではその腕に抱えられ、またラストシーンで象徴的に用いられるなど、映画全体を通じて重要な役割を果たしていました(この文章、記憶を頼りに書いています。記憶違いがあったらご指摘ください。今度見直して確認するつもりではありますが……)。
 アグラオネマ属にはおよそ30種(50種とも言われます)の原種があり、茎を立ち上げて草丈1m以上になるものと、茎を立ち上げずに地表を這うものの2種類に大別されます。『レオン』に登場したのは‘カーティシー’あたりではないかと思いますが、これはアグラオネマ・ニティドム(Aglaonema nitidum)という、直立する茎を持った大型の種(しゅ)の園芸品種と言われています。なおよく普及しているのは、‘シルバーキング’というこれも直立する茎を持った園芸品種です。
 冬の間高い室温さえ確保できれば、いずれのアグラオネマも栽培は簡単。写真の‘シルバーキング’は、ビルの中にあるオフィスの一隅でほぼ十年間栽培されていたものです。窓から遠い場所に置かれて日光はまったく当たらず、蛍光灯の光だけで生きていました。水が切れかかったことも何度かあったようですが、ご覧のように立派に生育しています。ただし、これはちょっと特殊な例。家庭で栽培する場合は、高温期には屋外の日陰に置いた方が良く育ちます(直射日光には当てないように)。高温多湿を好むので、春から秋にかけてはたっぷりと水をやり、冬にはやや控えます。挿し木はとても簡単で、夏だったら水を入れたコップなどに挿しておくだけで発根します。ハイドロカルチャーに最も適した植物のひとつです。


アグラオネマ
学 名 
Aglaonema spp. または Aglaonema cvs.
分 類 サトイモ科アグラオネマ属
原 産 原種の自生地は東南アジア熱帯雨林気候区(一部の原種がアフリカ産)
タイプ 多年草

栽 培 高温多湿を好み、強い日差しを嫌う。高温期に挿し木で殖やすことができる植え替えは5月以降。肥料は春〜秋の生長期のみ(真夏も控える)。最低越冬気温10℃前後と言われているが、もう少し低温にも耐えるようだ
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