ソテツ
芽生えたばかりの小苗
ソテツの雌株に付く大胞子葉(だいほうしよう)=心皮(しんぴ)。根元に付くオレンジ色のものは種子――成熟前は胚珠(はいしゅ)と呼ばれる――。このような大胞子葉は雌しべの原初形態で、あらゆる花の器官がすべて葉の変形であることの証拠と言える。ソテツの花(雌花)はこのような大胞子葉の集合体で、写真のものが幹の先端に厚く重なって付く(雄株には小胞子葉が付く)。写真から分かるように、ソテツの胚珠は心皮の根元の両側に付き、心皮に包まれてはいない。このように心皮に包まれない、露出した胚珠を付ける植物を裸子植物という。被子植物では大胞子葉が胚珠を内側に包み込み、その縁が癒着する。つまり胚珠が大胞子葉(心皮)に被われた状態になる
上と同じ大胞子葉の全体像。長さ20cmほど。最近はこのような状態のものが花屋さんに並ぶ。写真のものは「ゴーストの羽」というキャッチフレーズ(?)付きで販売されていた
ソテツ(蘇鉄)
学 名
Cycas revoluta
Thunb.
分 類
ソテツ科ソテツ属
原 産
日本(九州南部・沖縄)からジャワ島にかけて
タイプ
常緑樹
栽 培
水はけのよい土に植え、日当たりのよい場所で栽培する。雌雄異株の植物。実生、株分け、挿し木で殖やす。挿し木は切り口を乾燥させて行う。関東地方南部以西では屋外で越冬する(それより少し寒い地方では、冬期株全体を藁などで包んで保護する)
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