草木図譜 ソフォラ‘リトルベイビー’


高さ80cmほどに育って初めて開花した。写真の花の長さは約2cm
2008.05.07
羽状複葉。1目盛は1mm
 小さい葉とシンプルなジグザグの樹形が人気を呼んで、最近よく見掛けるようになった観葉植物。海外生まれのこの植物を盆栽風の鉢植えにして楽しんでいる人も多いようです。盆栽というのは小さい植物を大木に見立てて楽しむものですから、植物体に付くパーツ――葉も小さい必要があります。「プロポーションを保ったまま大木を縮小すると、葉はとても小さくなるはず」というわけです。このソフォラ‘リトルベイビー’の葉(複葉)は長さ1.5cmほどと極小で、盆栽風に観賞するのにぴったりです。
 ソフォラ属の植物は世界に約50種ほどあり、中国原産で街路樹としておなじみのエンジュや、中国・朝鮮半島・日本などの野山に生える薬草のクララもこの仲間です。ここでご紹介するソフォラ‘リトルベイビー’は、ニュージーランド原産のソフォラ・プロストラタの園芸品種。生長はゆっくりしているのですが、原種は樹高2mほどに生長し、春から初夏にかけてオレンジがかった黄色の花を咲かせます。
 ソフォラ‘リトルベイビー’はとても育てやすい植物です。日光を好むので、春から秋にかけては屋外で管理します。寒さには割合強く関東地方辺りでは屋外で越冬しますが、「強い霜に当てないように注意」とも言われているので、寒冷地では屋内の窓際に取り込んだ方がよいでしょう(暖房器具などから出る温風に、直接当てないように注意)。ただ、屋内ではどうしても日照不足になりがちなので気を付けてください。四季を通じて根が水浸しにはならないように気を付けて、夏は鉢土の表面が少し乾いてから、鉢底から流れ出るくらいにたっぷりと水やりをします(冬はやや乾燥ぎみに)。

ソフォラ‘リトルベイビー’ 商品名/かつてメルヘンノキ(メルヘンの木)という商品名で販売されたことがある
*ソフォラ・ミクロフィラと呼ぶのは間違い(別の植物)
学 名
 Sophora prostrata ‘Little Baby’
分 類 マメ科ソフォラ属
原 産 ニュージーランド
タイプ 常緑樹

栽 培 水はけのよい土に植え、日当たりのよい場所で栽培する。零下数℃℃の低温に耐えるようだ。我が家(関東地方)では冬の間もベランダに置いているが、落葉や葉の傷みもなく、まったく問題なく越冬している。同様の地域なら、一年中屋外で育てた方が生育はよい
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