草木図譜 イエライシャン


『香りの世界をさぐる』(中村祥二著・朝日新聞社刊)によると、イエライシャンの香りの主成分はゲラニオール(バラのような香り)とβ-イオノン(スミレのような香り)で、β-イオノンが香りを遠くまで広げるという。実際に香りをかいでみると、はじめにふわっと広がる甘い香りがあり、次にゲラニオールの香りがはっきりと感じられる。なおテロスマ(Telosma)という属名は、ギリシア語のtele(遠い)とosme(香り)の合成語。夜になると特に香りが強くなると言われるが、昼間でもよく香る。東南アジアなどでは花や若い葉をスープなどに入れて食べるという。花を油で炒めて食べてみたところ、香りと蜜の甘みがあるが、癖は少ないさくさくとした食感の野菜という印象だった。ナス科のヤコウカ(ヤコウボク Cestrum nocturnum)などがイエライシャンと呼ばれることもあるようだが、本来のイエライシャンは写真の植物
2006.9.17撮影
鋭意制作中

イエライシャン(夜来香/ye4 lai2 xiang1) ウスイロカズラ(薄色葛・薄色蔓)
学 名 
Telosma cordata (Burm. f.) Merrill
分 類 ガガイモ科テロスマ属
原 産 インド〜ベトナム
タイプ 低木(蔓性)
栽 培 水はけのよい土に植え、日当たりのよい場所で栽培する。蔓がよく伸びるので、行灯仕立てが栽培しやすい。春から伸びた茎に花序を付ける。開花は8〜10月。蔓を切り、切り口の樹液を洗い流して挿し木をすればよく活着する(初夏)。最低越冬気温は10℃前後(?)
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