草木図譜 ピンカド


A.ピンカドの豆のさやねじれた状態で長さ10cm前後
B.ピンカドのさやの表側。表面にある繊維が伸び縮みする(水を含むと伸び、乾燥すると矢印の方向に縮む)。写真は水をたっぷりと含んだ状態なので繊維が伸び、さやは平らになっている
C.ピンカドのさやの内側(豆と接していた面)。こちら側は表面の伸縮につられて、受動的に伸縮するだけ
 写真Aは、ピンカドの「豆」が入っていたさやの部分です。ある花屋さんで売られていたもので、木質で非常に硬く、螺旋形にねじれた姿が面白いので、ちょっと変わった装飾などに使われるのでしょう。豆のさやですから本来は2枚で1組で、これと対になるものがあったはずですが、1枚ずつばら売りされていたため「相棒」は見つかりませんでした。
 試みにそれを水に浸けておいたら、写真Bのように平らな状態になりました。そして乾燥するにつれ、表面側が矢印の方向に縮み、再びねじれた姿に戻りました。
 このようなさやの性質は、ピンカドの種子の散布に役立っています。未熟な状態の時にはたっぷりと水分を含んでいるので、さやは平らな状態。中の豆が熟すにつれて乾燥が始まります。さやの表面は縮もうとするのですが、もう1枚のさやとしっかりくっついているために、縮むことはできません。どんどん乾燥が進み、縮もうとする力は極限に達します。すると2枚のさやの合わせ目が一気に裂け、さやは急激にねじれます。この時の爆発的な力によって、豆を遠くに弾き飛ばすというわけです。なおこのような種子散布の方法は、何もピンカドの専売特許というわけでもなく、日本のフジなど多くのマメ科植物が同様の方法を採っています。
 ピンカドは樹高30m以上にもなる樹木。葉は鳥の羽根状で、黄色の小さい花を咲かせます。その材は赤褐色で硬くて重く、丈夫なチーク材よりさらに耐久性に富み、非常に優れた建築材として評価されています。かつては日本の鉄道の枕木として利用されたこともあり、現在でもウッドデッキやフローリング材として使われることがあります。

ピンカド(Pyinkado) ピンカドー 英名/バーミーズアイアンウッド(Burmese Iron Wood)
学 名 
Xylia xylocarpa (Roxb.)Taubert 異名 Xylia dolabriformis Benth.
分 類 マメ科キシリア属
原 産 インド、東南アジア
タイプ 
落葉樹
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