ネジバナ | ||
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ネジバナの特徴は、何と言ってもその螺旋形の花の付き方にあると言えるでしょう。この螺旋形には右巻きと左巻きの両方があることが知られていますが、右巻きが多いとか左巻きが多いとか、数に偏りはないのでしょうか? 私は、実際に自宅近くの造成地で数十株を調べてみましたが、ほとんど同数存在するという結果でした。 ところで「右巻き」と「左巻き」の定義ですが、異論もありますが、最近では「上から見て、時計と反対回りに巻き付いていく巻き方が右巻きで、その反対が左巻き」とすることが多いようです。右腕を何かに巻き付けた時の巻き方を右巻きと考えると、分かりやすいかもしれません(写真のネジバナの花付きは、右巻きということになります)。余談ですが、植物の蔓の巻き方は、ほとんどの場合種類によって決まっていて、アサガオやアケビは右巻きで、スイカズラやヘクソカズラは左巻きになります。面白いことにヤマフジは右巻き、フジは左巻きと、ごく縁の近い植物同士でも逆になる場合があります。そして不思議なことに、植物界全体を見渡すと右巻きの蔓を持つ植物が圧倒的に多いのですが、その理由は分かっていません。 話をネジバナに戻しましょう。ネジバナの別名はモジズリと言いますが、これは「信夫綟摺(しのぶもじずり)」に由来すると言われます。信夫綟摺というのは、陸奥国信夫郡(しのぶぐん・現在の福島市あたり)でかつて作られた、ねじれて絡まったような文様の染め物のことです。なお、学名のSpiranthes(スピランテス)は「螺旋の花」という意味。また英語では、スピランテス属の一種をladies' tresses(淑女の巻き毛、あるいは編んだ髪)と呼んでいます。 |
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ネジバナ(捩花) 別名/モジズリ(捩摺) 学 名 Spiranthes sinensis var. amoena 分 類 ラン科スピランテス属 原 産 東アジア(日本では北海道・本州・四国・九州) *基準変種や亜種まで含めると日本の沖縄、オーストラリアなどに広く分布する タイプ 多年草(ラン) |
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