草木図譜 セッコウベニバナユチャ


古くから栽培されている「ツバキ」に‘クマガイ(熊谷)’という3倍体の園芸品種がある。独特の花色、「梅芯(ばいしん/うめしん・うめじんなどと呼ぶ人もある)」と呼ばれる放射状に広がった雄しべなど、数々の特異な形質を持つ‘クマガイ’だが、その‘クマガイ’は、このセッコウベニバナユチャの血を引くという説がある。セッコウベニバナユチャの存在が発表されたのは近年のことだが、そのはるか以前に日本に渡来していたという説は興味深い。セッコウベニバナユチャの花の直径は10cm前後。花に特筆すべき香りはなく、子房に毛はない。受粉すれば花後に大きな果実を付ける。原産地では種子から油を採るために栽培されているという。ツバキ(Camellia japonica)などと交配が可能で、いくつかの園芸品種も作られている
萼苞(がくほう)は灰褐色で、蕾の時にはまるで枯れているようにも見える
鋭意制作中

セッコウベニバナユチャ(浙江紅花油茶) カメリアチェキアンゴレオサ チェキアンオレオーサ
*参照→ツバキ属の交配種

学 名 
Camellia chekiangoleosa H. H. Hu
分 類 ツバキ科ツバキ属
原 産 中国(中南部)
タイプ 常緑小高木
栽 培 ツバキなどと同じ管理で問題はないようだ。開花は3〜4月。関東地方の我が家では屋外で越冬している
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