草木図譜 カンツバキ


↑カンツバキ‘アサクラ(朝倉)’
外側の花弁がピンクに色付く。下の写真のように、雄しべがなかば花弁化することが多い(カンツバキ一般によく見られる現象)。八重咲き・大輪、10〜11月咲き
Camellia X hiemalis 'Asakura'
カンツバキ‘オトメサザンカ(乙女山茶花)’
千重咲き・中輪、11〜2月咲き。ユキツバキの園芸品種‘オトメツバキ’と似た花型
Camellia X hiemalis 'Otomesazanka'
カンツバキ‘カンジロウ(勘次郎)’
幹は上に立ち上がるので、横張り性の‘シシガシラ(獅子頭)’と対比させて‘タチカンツバキ(立寒椿)’、または‘タチカン(立寒)’とも呼ばれる。‘ウタマクラ(歌枕)’の別名もある。八重咲き・中輪、開花は12〜2月。非常によく普及しているカンツバキ。
写真の花はやや淡い色に咲いたもので、本来はもっと濃い色になる
Camellia X hiemalis 'Kanjiro'
カンツバキ‘カンジロウ’(花が散った後の子房)
カンツバキはいずれも、花弁がばらばらに散ること、強い香りを持つこと、子房や葉柄、葉の主脈上に毛があることなど、サザンカと似た形質を持つ
↑カンツバキ‘シシガシラ(獅子頭)’ 上の写真2点
八重・中輪、12〜2月咲き。すべてのカンツバキはこの‘シシガシラ’から生まれたと考えられる(というよりも、「カンツバキ」という名称はもともとこの‘シシガシラ’に付けられたもの。拡大されて、‘シシガシラ’から生まれた園芸品種群がこの名前で呼ばれるようになった)。横張り性の樹形を生かして、グランドカバーのように仕立てられることもある
Camellia X hiemalis 'Shishigashira'
↑カンツバキ‘シシガシラ’のなかば花弁化した雄しべ
↑カンツバキ‘ヒメシラギク(姫白菊)’
八重・小輪、11〜12月咲き
Camellia X hiemalis 'Himeshiragiku'
↑カンツバキ‘フジノミネ(富士の峰)’
樹形は横張り性で、花は千重咲き・中輪。開花は11〜1月
Camellia X hiemalis 'Fujinomine'
鋭意制作中

カンツバキ(寒椿)
*参照→ツバキ →サザンカ →ハルサザンカ ツバキ属の交雑種 ツバキ属の植物の相違点
学 名 
Camellia X hiemalis Nakai
分 類 ツバキ科ツバキ属
原 産 ‘シシガシラ(獅子頭)’から生まれた園芸品種群。‘シシガシラ’は日本に自生するサザンカツバキとの交雑によって生まれたと言われる *中国から渡来したとする説、中国産のユチャとツバキとの雑種とする説、サザンカのみから生まれた園芸品種とする説など、‘シシガシラ’の起源については異説もある。またハルサザンカと同様、カンツバキもサザンカの園芸品種群の中の一系統とされることがある
タイプ 常緑樹
栽 培 水はけのよい土に植え、日当たり〜半日陰で栽培する。日当りの場合は葉焼けを防ぎ、葉を美しく保つためにやや遮光することもある。剪定は開花後、3〜4月(大きく切り詰める場合は2月〜3月上旬が最適)。6月ごろに花芽ができるので、それ以降の剪定は樹形を整える程度にとどめる。植え替えは梅雨時が最適で失敗が少ないが、3〜4月、9〜10月(寒冷地では8〜9月)も可能。鉢植えの用土は、赤玉土・鹿沼土・日向土・桐生砂のうちの数種を混ぜたものを用いる(アルカリ性の土壌を嫌う)。6〜8月に挿し木で殖やす(全体をポリ袋などで覆う「密閉挿し」なら、冬季でも可能。この場合、6月ごろに少しずつ外気に慣らしながらポリ袋を取り除く)。3〜8月の取り木も可
home